|
2.コーチングを起点にしたアクションラーニング
アクションラーニングとは、実務の中で関係するメンバーがディスカッションをして、問題解決や目標達成に向けた答えを見出し、新たな行動を起こしていくためのコミュニケーション手法です。はっきりした定義はありませんが、「仕事に直結する学習の場」と言ってもよいでしょう。
アクションラーニングの考え方は、本質的にコーチングと非常に近いものです。コーチングが個人の気づきを促すものであるのに対し、アクションラーニングはチーム全体の気づきを促すもの。そんな区別もできると思います。
私はこれまで、アクションラーニングを一種の「グループコーチング」という位置づけで、さまざまな企業でスタッフと共に実践してきました。そこでの私の役割は、議論の焦点を明確にしたり、議論が活性化するような投げかけをしたり、話が脇道にそれそうになったときに軌道修正するなど、まさにラーニングを進みやすくするサポートです。これは昨今、よく「ファシリテーター」と呼ばれる役割です。
アクションラーニングで成果を上げるには、上下関係や利害を超えて、双方向のコミュニケーションを続けるマインドとスキルが欠かせません。コーチングのベーシックなトレーニングを受け、その価値を理解しているメンバーだと、この双方向のコミュニケーションを円滑に行うことができます。
たとえば複数の拠点の店長に、マンツーマンのコーチングを実施しているとします。ここで店長はスタッフへの指導力を磨き、店全体のモチベーションを高めることにも成果を上げます。
そして週一回、店長たちが本部に集まって互いの進捗や成果をシェアし、残された課題を明らかにします。そしてお互いがうまくいっているところ、誰かがうまく行き、他の店長は進んでいないところ、皆が困っている点などを明らかにします。そして知恵やノウハウを出し合い、さらなるステップに向けて現場に戻って行きます。
まさに、これが一つのアクションラーニングです。「コーチング」という言葉を用いて説明するならば、お互いがコーチングマインドを持って必要な問いを投げかけ、意見や答えを出し合い、目的を共有するパワーミーティング。それがアクションラーニングだと私は考えています。
アクションラーニングは、チームワークに秀でた日本の組織に向いている手法だと思います。図らずもアクションラーニングの権威である米ジョージ・ワシントン大学大学院のマイケル・マーコード教授が、興味ある発言を日経新聞に寄せていました。最後に、その点についてふれておきましょう
|